発達障害の療育について調べていると時々見かける「感覚統合」という名前。
でも一体どんなもの?今回は「感覚統合」についてお話します。
「感覚統合」って何?
人はその時に必要のない感覚を抑制したり、逆に、必要な感覚のみを敏感に感じ取る機能を用いることで脳への負担を減らし、すばやく目的に合った行動をとることが出来ます。
このように感覚情報の取捨選択が適切になされ、身体の操作が思った通りに出来る機能を「感覚統合」と言います。
「感覚統合」が出来ていない場合はどうなるのでしょうか。
例えば前にいる先生の話を聞かなければならない場面を想定してみましょう。
「感覚統合」の機能が働いている場合は目の前の先生の姿という視覚情報、先生の声という聴覚情報だけを選択し、注意を向けて話を聞くことが出来ます。
しかし、「感覚統合」の機能が働かないと、先生の姿や声の情報だけでなく、周りの子どもの身じろぎの音、時計の針の音や動き、遠くで鳴る車のクラクション、お尻に触れる椅子の固さ、給食の匂いなど様々な感覚刺激を区別なく受けることになり、一点に注意を向けることがかなり難しくなります。
このような時にどのように対応すればよいのでしょうか。
①専門家に頼る
まずは医療機関や療育機関で専門家に相談し、どういった感覚特性があるのか、身体の動きはどうか、ということを丁寧に見てもらうのが一番です。
「発達障害」とひとくくりにされても、みんな個性を持った子どもたち。
得意不得意はばらばらです。本などで独学で学び、実践するのも良いですが、ずれた支援を続けてしまうと、時間も労力も勿体ないですし、気持ち的にもがっかりしてしまいます。
情報に振り回されない安定した支援が出来ることは子どもたちにとっても、支援する保護者の方にとっても心の余裕に繋がります。
また専門家という第三者の目が入ることで、今まで見えなかった子どもたちの新たな一面に気づくことも出来ます。
抱え込みすぎず、専門家をぜひ活用しましょう。
②おうちで感覚統合遊びを取り入れる
おうちでの感覚統合の遊びでおすすめしたいのは、公園遊びとお風呂遊びです。
公園ではジャングルジムに登って力のコントロールや身体のバランスの保持を学んだり、滑り台やブランコで遊ぶことで前庭覚が刺激されてしっかり覚醒できたりします。
またお風呂ではお湯の熱さや濡れた感じを皮膚に直に受けたり、いつもと違う音の響きを楽しんだり、見えない部分をイメージしてシャンプーをしたりできます。
感覚統合ではまず沢山の感覚刺激をしっかり身体が感じることが大切です。
その中で必要な感覚を選びとる力が養われていきます。
ただ訓練のように、子どもたちが嫌がることを無理強いさせると、よりその感覚刺激に抵抗することになってしまうかもしれません。
楽しい遊びの中で学ぶという意識を忘れないでくださいね。
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