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今回の記事では、イヤイヤ期に突入した凸凹息子との育児から学んだことをお伝えします。感情を伝える力を育て、成功体験を重ねながら、子どもの世界を広げるために家庭で実践できる6つの療育方法をご紹介します!
前回の記事はこちらからどうぞ
イヤイヤ期と家庭療育
イヤイヤ期になると、自我が芽生え、健常児とは少し違った家庭でのやり取りが増えてきます。
この頃から発達の違いが明確になることも多く、心配を抱える親御さんが増える時期でもあります。
こだわりや感覚過敏が強くなり、「どう対応すれば良いのだろう」と悩むこともあるでしょう。
しかし、これらの特性は、この時期に現れやすい重要なサインです。
発見が遅れる前に「この子はどんな感覚を持った子なのだろう?」と理解を深めるチャンスと考えると、ポジティブに向き合えます。
以下に具体的な対応例をいくつか紹介します。



こだわりや感覚過敏などが強く出始めてどうしようと悩みますが、これらはこの時期に最も出やすいサインでもあるので、
ここで気づいてあげられないとかなり発見が遅れてしまうこともあります。
この子はどんな感覚の子なのかな?と把握しやすい時期でもあるので、チャンスくらいに思えるといいですよね。
①自分の気持ちを発信する力を育てる
子どもが少しずつお喋りできるようになったら、次のステップとして「自分の気持ちを自分で伝える」ことを目指します。
例:
- 「わーってなっちゃうね。どうしてかな?」(考えさせる声かけ)
- 「○○だったから悲しくなっちゃったのかな?」(代弁して気持ちを整理)
発達に障害がある子どもは、自分の感情の動きを認識するのが難しいことがあります。
「悲しかった」「嫌だった」と言えるようになるために、気持ちを言葉にしてあげましょう。
そして、なぜそう感じたのか、もう一度言葉で伝えてあげることが重要です。(代弁)
少し成長すると、子ども自身に復唱させることで、感情の認識をさらに深めることができます。
私の息子も、3歳を過ぎてようやく出来事や思ったことを伝えられるようになりました。



「悲しくなった」「嫌だった」と答えられるようになれば、まずはいいので、自分の起こした行動の理由がわかるようにしてあげます。
必ずこちらは、どんな理由があったから悲しくなったのかをもう一度言葉にしてあげます。
自分の感情の動きに気付ける力を養います。
状況によって復唱させると効果的です。
②必ず褒める!
何かを乗り越えたり、成功したときには必ず褒めましょう。
「えらいね」「すごいね」だけでなく、具体的に「○○ができてえらかったね!」と伝えるのがポイントです。
さらに、「嬉しい」「楽しい」などのポジティブな感情表現も意識的に使うことで、子どもがポジティブな言葉を覚えられるようになります。
会話の中では「言ってみて」と促してから次の行動に移るように心がけると効果的です。
言おうとしたこと自体を褒めることで、子どもの頑張る気持ちを育てられます。



私は会話のなかで、言ってごらん?と言葉を出させてから次の行動にうつすようにしていました。
小さな声でも、正しい発音じゃなくても、言おうとして言えなかった時でも誉めます。
「言おうとしてえらかったね!すごいね!」と、頑張る気持ちを強くさせるように。
③目を見て話を聞く
子どもに話しかけられたら、できるだけ手を止めて目を見て話を聞きましょう。
もし内容がわからなくても、「ちょっとわからないな、ごめんね。ママ知りたいからゆっくり教えて?」と、
理解しようとする態度を示すことが大切です。
手が離せないときは、「待ってくれてありがとうね」と感謝を伝えた後に話を聞くと、子どもの自己肯定感を育てるきっかけになります。
④細かく丁寧に教える
発達に特性のある子どもは、健常児が自然に理解することもわからないことがあります。細かく丁寧に教えることを恐れずに、根気よく取り組みましょう。
例:息子の場合
- 「トイレに行きたい→ズボンを脱ぐ」という流れが理解できず、「おしっこ出ちゃう!」と泣いてしまうことがありました。
- そのときは「ズボンを脱ごうね」と声をかけて行動を促し、次の段階では「出ちゃいそうなときはどうするんだっけ?」と問いかける形で道筋を作りました。



甘やかしすぎとか、手をかけすぎてその子の成長を妨げるのでは?と思うかもしれませんが、息子の場合は、トイレをするにも親が道しるべをつくってあげるように声掛けをする必要がありました。
⑤成功体験を増やす
失敗が続くと、自己肯定感が下がり、チャレンジする気持ちが失われてしまいます。
特に、発達に特性がある子どもは、少しの失敗でも大きなショックを受けやすいものです。
例:
- 息子はスプーンで食べ物を運べずエプロンに落としてしまうと、「落ちちゃった~!」とパニックになり泣き叫んでいました。
- そこで、「すくう」動作をさりげなく手伝ったり、見ていない間に食べ物をスプーンに乗せるなどの工夫をして、「できた!」という体験を積ませました。
遊びでも、例えばパズルを2ピースだけ抜いた状態から始める、正解を指差しで教えるなど、できるだけ成功に導くサポートをすることで、自信をつけてあげることができます。



少しずつ少しずつ、その子の成長に合わせてこちらのお手伝いの内容を変えていきます。
これは難しいかもしれませんが、効果が高かったのでやる価値ありです。
⑥嫌がることを少しずつやる環境作り
「嫌がることは無理にやらせなくていい」という対応は、イヤイヤ期を超えたこの時期からは少し変えていきます。
この頃になると、「やればできるのにやらない」というケースが増えるため、いろいろな経験を積ませることが大切な時期に入ります。
避けてばかりでは、幼稚園や保育園などの集団生活で本人が一番辛い思いをしてしまいます。
スパルタに感じるかもしれませんが、時には「やらなければならないこともある」と教えることが必要です。
具体的な工夫
- 「これをやってから、こっちをやります」と伝える
-
着替えをしてからおもちゃ遊び、ご飯を食べてから好きなこと、というように、苦手なことをルールの中に自然に組み込みます。このとき、こちらが譲らない姿勢を持つことがポイントです。
- 諦めることを教える
-
苦手なことを通じて、「諦める」という考え方を少しずつ教えます。同時に、ルールや段取りを理解する力も育てていきます。
- 成功体験で終わらせる配慮を
-
放置せず、失敗ではなく成功体験として終われるようサポートします。例えば、お着替えの練習では最初の一歩を手伝い、徐々に自分でできる範囲を広げていきます。⑤の成功体験を増やすと同様の流れを応用しながら進めます。
苦手なことへの取り組み方
子どもがパニックを起こしたり、怖がったりした場合には、「大丈夫だよ、落ち着こうね」と安心させてあげることが最優先です。その上で、「とりかかる」こと自体を目標にする環境を作ります。
例:2歳頃に通っていた幼稚園のプレ教室では、息子にとって大変なことばかりでした。製作活動は「やりたい気持ちはあるけどできない」、説明を聞くのが苦手で「何をすればいいかわからない」、体操や歌は「大嫌い」でした。
息子には、少しでも関わる経験をさせることを目指しました:
- 「ママと一緒に、このときだけ手をあげてみよう。」
- 「ママのダッコで回ろう。」
- 「お片付けだけ参加してみよう。」
どうしても嫌がるときは、「座って見ている」を目標にしました。
最低限の「座って見ている」は、譲らないポイントとして取り組みました。
これらを繰り返す中で、交渉や譲歩を組み合わせながら徐々に息子の世界を広げていきました。



気をつけるポイント
嫌がったとき、「嫌なの?」と感情を復唱しすぎると、かえって嫌な気持ちを増幅させることがあります。
その場合は、「そう、わかった」とさらっと受け流し、「じゃあこれをやってみる?」と別の選択肢を提案するとスムーズです。
これらを繰り返していくうちに、不思議なことに、結局全部やってしまうことも多く、気づけば経験の幅が広がっていきます。
嫌がる事が減る…いい循環を作れるはずです。
まとめ
イヤイヤ期は、発達の特性に合わせた家庭療育をスタートする大切な時期です。感情を言葉にする力を育てたり、成功体験を増やしたりしながら、子どものペースに寄り添った対応を心がけていきましょう。



次回は、気づいてあげたい苦手な事を紹介します!
こちらはパート1の記事です!
私自身の発達障害のお話はこちらからどうぞ!


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