発達障害について調べていく中でよく見るようになる「視覚優位」や「聴覚優位」という言葉。でもこれは何を指しているのでしょうか?
これらは「認知特性」と呼ばれる情報を頭の中で理解・整理・記憶・表現する方法の中の特性を表しています。
認知特性を大きく分けると
認知特性は大きく分けると
- 視覚優位:見た情報を処理するのが得意な人
- 聴覚優位:聞いた情報を処理するのが得意な人
- 言語優位:読んだ情報を処理するのが得意な人
の3つのタイプに分類されます。
それぞれの特徴について、一つ質問をしますので自分のことを振り返りながら考えてみて下さい。
あなたの認知特性を簡単に調べる方法
中学生の頃の担任の先生を思い出してみて下さい。その時、どんな情報が頭に浮かびますか?
「顔や姿が真っ先に浮かぶ」という人は視覚優位性が高いかもしれません。
「声色や口癖が真っ先に浮かぶ」という人は聴覚優位性が高いかもしれません。
「その先生の名前や担当科目などの情報が真っ先に浮かぶ」という人は言語優位性が高いかもしれません。
このように発達障害の子どものみならず、人はみんな色々な認知特性を持っています。
発達障害の子どもの偏り
発達障害の子どもは発達の偏りから指示の理解が難しい場面があります。
ですが、得意な処理の仕方を事前に理解することで、その難しさを補いやすくなります。
- 視覚優位性の高い子どもなら、
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言葉の指示や説明書をすぐに理解することが難しいです。
この場合は、視覚からの情報を処理することは得意な傾向があるので、イラストや写真で指示内容を見やすいように提示するなどの工夫が出来ます。他の優位性がある子も同様に、、、 - 聴覚優位性の高い子どもなら、
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指示ごとに声色を変えて印象づけたり、替え歌の形で覚えるなどの工夫が考えられます。
- 言語優位性の高い子どもなら
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指示内容を書いた説明書を事前に手元に用意しておくことで周りの子どもと同じように一人で取り組むことが出来るかもしれません。
また自分自身の認知特性について知っておくこともおすすめです。
自分と子どもの捉え方の違いに気がついていれば、「なんでこんなことも出来ないの!出来て当然でしょ!」と一方的に怒る前に「自分はこういう風に考えるのが当たり前だと思っていたけど、この子は違うのかも」と考える余裕が生まれるからです。
診断ツールの紹介
この認知特性については小児科医である本田真美先生の著書「医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン~(光文社新書)」に詳しく書いてあり、認知特性テストも掲載されています。
また本田真美先生のHP(http://micri.jp/ninchitokusei/)より診断ツールをExcelデータでダウンロードすることも出来ます。
認知特性を理解することで子どもも自分も過ごしやすい環境をつくりましょう。
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